(引用)ネット非掲載の情報、主婦らが足で稼いで収集
空き時間のある主婦やシニア層に調査員になってもらい、不動産などの地域情報を「足で稼いで」記録して企業に有償で提供するサービスを、大阪市のIT企業「Review(リビュー)」が始めた。調査員が徒歩や自転車で街を回り、空き地や駐車場、更地、新規物件、求人張り紙などの最新情報を収集して盛り込んだビジネスマップ「macci(マッチ)」として10月から法人向けに提供中だ。人手不足の中で、同社はフルタイムでは働けない人たちをITを活用して貴重な働き手として戦力化し、ネットでは検索できない高精度な情報のデータベースの全国展開を目指している。
「マッチ」は、ネットの地図サイトでは載っていない「直近3カ月以内」の写真付き最新情報をパソコンやスマートフォンで閲覧できる。住所のほか、会社情報、連絡先、現地写真などで、不動産業界や通信会社、求人会社などに有料で使ってもらう。「存在する道を全網羅すること」を調査員に徹底しており、例えば駐車場なども検索大手の地図サービスより多く表示できるよう常にデータを更新していく。
調査員は現在300人。一般募集をかけると好評で、「主人も休日にしたいと言っている。夫婦でできますか?」。「母もやりたいと言っている、60代ですけど元気です」などの声もあるという。現在のサービス対象地域は東京都と大阪市の一部だが、今後拡大していくほか、将来はビル名やフロア、会社名、電話番号などもデータベース化し、「テナントビルの可視化」とその一般公開も計画している。
「アナログ×デジタル」のインフラづくりを目指す同社の藤本茂夫社長は「シニア層や小さな子供がいて就業できない主婦層の雇用を拡大して地域の情報収集に参加してもらう。情報の規模も、小さな地域から全国、グローバルへと発展させていきたい」と話している。